多猫路のひとこま

事務所がある[二軒家アパートメント]は渋谷区と新宿区の境界線を走る暗渠に面しています。遊歩道と言うほどの快適さはないものの、生活感が適度に滲み出て猫たちもたくさん棲む、味のある界隈です。洗濯物を干したり喫煙の椅子があったりする公私混然が楽しい。そう言えば犬の所属先は家族だけれど猫は街。昼飯を頭に描きながら猫を横目にぶらり歩くのが好きです。
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犬色のコンポジション

唐草風ラグに犬模様。動物には島がたいせつ。マルはラグやマットなどの島、私には巷の島。ラテン語の島insulaには共同住宅という意味もあるとか。島が集まった群島を意味する英語のarchipelagoには図と地を逆にした「多島海」の意味もあって固有名詞としてはエーゲ海のこと。街がいきいきとするように、島のひとつひとつを大事にします。
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Five Songs for a Cold Winter Day

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photo by Don Hunstein courtesy of Bob Dylan.com

Dylanのオフィシャル・サイトにPlaylist: Five Songs for a Cold Winter Dayが登場しました。写真は2枚目のアルバムThe Freewheelin’の表紙写真のアウトテイク。真冬のマンハッタンのJones Streetを当時の恋人Suze Rotoloと並んで歩くDylan。いい写真です。こんな私的な写真を売り出し中の新人のLPジャケットにしてしまう発想には驚きます。プレイリストの1曲Winterludeは美しいメロディのワルツ。こういう曲も書けるんですよ。

48年目のめぐり逢い

Peter, Paul And Maryがフランスで録音し1965年にフランスでだけ発売された4曲入りの7inch盤Chantent En Francaisが届きました。Tch-Tch(Jane,Jane)とTu N'aurais Jamais Du M'aimer(For Lovin’ Me)の2曲はこの盤以外には収録されていません。この盤の存在は早くから知っていましたが曲目さえ1曲しか判らず、中古屋のカタログ上でさえ見かけたことがない幻のレコードでした。ネット上の検索エンジンの進化のおかげでしょうか、5年ほど前に渋谷にある中古レコード屋のブログでついに発見。ところが¥8,400という価格にひととき躊躇した隙に、あろうことか買い逃し、臍を噛んだままになっていました。今年になって16日にフランスのサイトで発見、今度は迷わずに入手しました。€7.70+送料€6.00。パソコン上の操作だけで10日で届くのですから便利になったものです。価格からすると市場ではたいした価値はないようですがPPMを音楽の原点とする私にとっては大切な1枚。こいつぁ春から縁起がいいや。
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ふと冬模様

5時半に小用で起きてしまった時には乾いたデッキだった中庭が6時半には真っ白。前回とは違った乾いた雪で瞬時に雪化粧。舗装道路はほとんどが湿っている程度で小雪の中をお散歩すいすい。枝や葉に点々の雪がつくる冬模様を楽しんできました。デッキの雪掻きも済ませ、犬たちとネズミ捕りごっこをしておおはしゃぎ。もう上がってしまってこれからは晴れとの予報。今日は新宿駅から歩けるかな。
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夜明けは近い

深夜の[doghouse]中庭から東を見る。高性能カメラのおかげでこんな写真が撮れました。冬の未明の中庭は間違いなく寒いのですが、ここの空気が脳に与える刺激は好きです。
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学ぶ場のひと区切り

日大での非常勤講師、後期は生産工学部のデザインコースで3年生を教えています。講評会は学生たちにとっても私にとっても締め。半年前の最初の授業で「建築はきらい」と答えた学生も「人はきらい」とコミュニティの可能性を否定しようとした学生も含めそれぞれの力作をモノにしました。おつかれさま。
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朝陽の中で

[doghouse]からまっすぐ北に歩いて付きあたりの玉川上水で東に折れると今時分は朝陽に向かって進んでいくことになります。地平線から顔を出したばかりの太陽の光には特別な力があるようでみんな元気いっぱい。道端には他の犬たちの記号が無数に残されているらしく犬たちは時を忘れていました。130125.jpg

懐かしい色

何故か新宿駅で出会った「国鉄柄」の189系。試運転と表示されています。どこか懐かしくつい写真を撮ってしまいました。この「国鉄柄」の元祖は1958年11月開業の日本初の電車特急「こだま」の151系。小学校1年の終わり頃に甲子園から東京に引越してきた時に乗ったように記憶しています。開業直後だったのですね。そのおかげか鉄道に惹かれる気持ちが今も変わりません。
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ゆらゆらに誘われて

マルの犬種コイケルホンディエについて去年10月27日少し触れましたが、あの時は細長かった尻尾がだんだん開いて?きました。元気な尻尾に誘われてつい遊んでしまいます。1歳になる頃にはもっと毛が長くなってふさふさになるはず。それで鴨を誘き寄せられるかどうかは、わかりません。
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救いの空雪

思わぬ大雪の跡は街ではかなり溶けてきましたが[doghouse]の中庭の日曜深夜はまだこんなようす。照明に雪が浮かび上がっています。デッキの下に詰め込まれた雪は固まってそのまま。「砂場」を雪で覆われてしまった猫がウロウロ。犬は活動領域が拡がって楽しそう。この上に雪が降ったらどうなることやらと案じて床に就き目を覚ますと、雪どころか雨も上がっています。よかった。雨はにおいだけの散歩もすいすい。週末のコンクリート打ちへの影響もとりあえず回避、かな。
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しがない歩兵

アルジェリアで痛ましい事件が起きました。情報の錯綜ぶりがかの地の闇の深さを物語っています。マスコミは「イスラム過激派」「テロの連鎖」で事態を括りますが、欧米諸国の何世紀にもわたる搾取が生んだ歪みが根底にはあり、欧州経済の破綻のツケをかつての植民地での武器償却・資源略奪で購おうとする一連の動きが今回も引鉄になっています。大きな流れに翻弄される尊い命。傭兵も民兵も労働者もみな「しがない歩兵」。ディランの1963年の作品Only a Pawn in Their Gameの邦題です。あの時は南部の一白人による公民権運動のMedgar Eversの狙撃。使い捨てられるのはいつも歩兵です。ところで渦中の日揮は我が家の就職浪人が落ちた会社。親の気持ちが子に伝わらないのはどこにでもある話なのでしょう。成り行きによってはこの悲劇に私自身が引きずり込まれていた可能性もなくはないと思うと、身が固くなります。マルはお気に入りのクッションで爆睡。犬はいいなあ。
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遠い春を想って

我が家の受験生は今日昨日とセンター入試。穏やかな天気でよかった。私のような非常勤とは違う大学の先生は監督官でたいへん。秒針のある時計を持参する必要があるとかで、一昨日腕時計の電池を探していました。スマホは持ち込めないそうです。その昔彼女を追って飛んだエールフランスの機内で求めたその時計は「あの時」から止まったままだそう。かっこよすぎる話に相槌を打っている傍らから「私が動かしてあげましょうか?」と女子学生。思いもかけぬ反応に一呼吸置いて胸が熱くなりました。いいなあ。我が家には冬の陽射しの中の犬。
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桜の芽吹きに鳥一羽

[doghouse]のある通りのランドマークとなっている桜の古木に鳥が一羽。望遠で捉えるともう芽吹き始めているのがわかります。ここ二三日すごく冷え込んでいるけれど春の支度が始まっているのですね。
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勝どきの不思議空間

仲條正義さんの「仲條の前半分」展で勝どきへ。高層住宅群のあいだに残る倉庫ビルを改装した会場の @btfに1973年から今までにデザインされたポスター380点と40年間の「花椿」が展開されていました。下の写真は両側に出入り口がある荷物用エレベーターを降りた@btfの廊下?部分。会場もポスターも集まりの雰囲気もみなみな不思議。おもしろい体験でした。
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フクが逝って一年

1月17日はフクの一周忌。まだ雪が降る前の日曜日に犬たちを連れて深大寺の霊園にお参りに行ってきました。犬連れで歩くと片道50分の楽しい遠足。途中にjaxa宇宙航空研究開発機構航空宇宙技術研究センターの広大な閉鎖領域があるおかげで行程に選択肢がないのが残念。機体が塀越しに見えても街は少しもよくなりません。深大寺の蕎麦屋は犬連れなので遠慮し植物園を取り囲むように拡がる公園で凧あげを見学。ハヤもマルもお参りを見守っていました。おまけは植物園の石垣のヘビ。巳年です。130117a.jpg130117d.jpg130117c.jpg130117b.jpg

雪留めと雪崩落

[doghouse]の屋根は中庭向きに傾斜しているので中庭には「大きな空」があります。空を視覚的に切り取る枠としての屋根は純粋な形状が相応しいと考えて敢えて雪留をつけなかったので積もった雪はまとまって中庭に落ちてきます。地鳴りのような怖ろしい音を伴う雪崩落は花壇の植物を傷めつけ中庭に出た居住者がたまたま直撃を受けると相当のダメージを受けることになってしまいます。生まれて初めて雪崩落に遭遇したマルは直撃は免れたのですが少なからずショックを受けたようで暫くおとなしくなっていました。ごめんね。
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初めての雪

マルにとっては生まれて初めての雪。最初は戸惑っていましたが雪はどんどん降り積もり、マルもすぐに慣れて雪の上でおおはしゃぎ。翌朝すっかり凍った雪で2足歩行の散歩はたいへん。湿っぽい雪だったので道によっては轍がつくった50cm幅の路ができているのですがところどころ表面に氷の膜ができています。4速歩行2頭につながれているおかげで数度救われました。
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集まって学ぶ

年明け恒例の居住空間デザインコース「宮脇賞」審査会。今年のゲスト・クリティックは山下保博さん。ゲストの学生思いの当意即妙コメントのおかげで審査が生き生きと進行しました。教え学ぶことの歓びを実感する一日。授賞式+懇親会の会場セッティングはこんな具合。学生たちとも大いに語り合い、うちの事務所にとっても大きな収穫が。
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歯が痒い年頃

歳の割には落ち着いているマルですがまだ生後7カ月前なのでおそらく歯が痒いのでしょう噛めるものはなんでも噛んでしまいます。そこで登場したのがこの骨。これを与えておくと暫くは安心です。噛み心地だけではなく動物の味も浸み出してくるのでしょうね。横笛のように見えなくもありません。
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金曜日朝8時

船橋市上空を東に向かって飛ぶヘリの編隊。自衛隊なのでしょう。どんな用事で飛んでいるのでしょう。木曜日には福島浜通り震度4の地震。闇に包まれたフクイチをつい心配してしまいます。青空が澄んできれいでした。
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行商列車の今

今朝の犬の散歩はまだ暗い6時で9時には習志野で授業。京成大久保駅に8時40分に着く頃、反対側のホームに珍しい「行商専用」車両が到着します。京成線ところどころで見かける「行商専用車」のお知らせが気になっていたので、少しだけ時間をつぶしてカメラに収めました。野菜を満載したローカルな車両を期待してしまいますが、各駅停車の最後尾1両が「嵩高荷物専用車」になっているだけのこと。遥か昔、本八幡から秋葉原へ総武線で通っている頃、巨大な荷物のおばさんたちが車内でお弁当を広げていましたが、そんな商いが細々とかもしれませんが続いているのですね。
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ザイカレー再訪

現場があるので毎週通っている国立にある昔からの店の一つが1954年開業の「ロージナ茶房」。そこの古参メニュー「ザイカレー」にはまりました。ひたすら牛を煮込んだ直球勝負のカレーに茹で卵の輪切りとディルピクルス。昭和モダンの匂いの残った空間にぴたっとはまっています。単純な一皿ですがどうしてもまた食べたくなってしまうのです。「ザイ」という不思議なコトバもいいかな。
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遥かな時を渡って

お向かいからやってきた木彫りの犬と少女。かなり昔にイタリアで手で彫られたもののようです。いい雰囲気。なんでも齧ってしまうマルだけは要注意。海を渡ってきたもうひとつはスペインはセルビアの老舗の菓子ines rosales。オリーブオイル風味で甘いのですがアニスで香りづけしてあって、粋な大人の味。ワインにも合うような気がします。おそらく昔のままのロウ紙のような包装紙に電話は20番と書かれています。旧いものはいいなあ。
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犬駆けまわる

パピヨンもコイケルももともとはスパニエルの猟犬系ですから、駆けるのが大好きです。かなり速い。冬の4時過ぎは見かけより暗く、走っている姿はうまく写りません。駆ける速度とカメラの動きを合わせるのは容易ではありませんから失敗作の山。寒かったなあ。
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刻まれた時のかけら

私たちの事務所がある界隈は住居表示では新宿区西新宿と渋谷区本町が入り乱れていますが、ふるくは十二社と呼ばれていた色街で、昔からのお店が意外に残っています。「味陶庵志奈川」も50年近くの歴史のあるとんかつ屋でランチのお気に入りの一つだったのですが、何年か前から夜だけの営業になり今年夏には閉店してしまっていました。昼のお店として復活していたのをつい最近吟品ともだちに教えていただきランチ定番に復活。4種類のランチメニューの中で一番のお気に入りは「カレーフランク」です。月曜日は「山珍居」「宍倉」(最近出現したへぎ蕎麦)と共に定休。困ったなあ。
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野性の誘い

フクが元気をなくして以来初めての玉川上水遠足。一時間を超えて落ち葉の散歩道を楽しんで来ました。路沿いには「野鳥の森」もあり望遠鏡でなにやら観察している人たちもいました。何箇所かで見かけたお知らせには「アライグマとタヌキの調査をしています」。10年以上前にウサギが一時期棲んでいましたが、アライグマやタヌキがいたらいいなあ。マルが落ち葉の山に勢いよく鼻を突っ込んでいました。
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街の灯りはきれい

恒例の正月ヨコハマ。馬車道で地上に出て中華街まで歩きました。夜の照明はそれだけで写真になってしまっていますが、どこかよそよそしくて、アジアのヨコハマという感じに欠けています。中華街福建路での宴には満足。
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鼠類捕獲の流儀

ハヤとマルが大好きな「ネズミ」がどんどん増えたのを並べてみました。早速犬たちが集まってきてハヤは穴開きボールに入ったネズミをマルは左の1匹を咥えて行きました。噛むとチュッチュと鳴きゴムのとげとげのおかげで不規則によく跳ねるので、犬たちは「ネズミ」を取って来るのが大好きです。2匹を同時に投げるのが私たちの流行り。個体の運動性能にかかわらず一定の成果が得られるので飽きません。マルが2匹を捕獲して2匹を咥えて走って来る時は呑んでしまうのではないかと心配ですが、そんな快挙は稀。下に逃げてしまった「ネズミ」の捕獲はハヤの役目です。こちらも飽きません。
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懐かしい時流れて

45年前のPPM来日公演盤がついにCD化されたことは以前に書きましたが、CD化の際の蔵探しでなんと未発表曲が12曲見つかり2枚組Peter, Paul and Mary in Japan, 1967として届きました。休みに入ってからこればかりを聴いています。脂がのった時の演奏で、録音も秀一。あの頃の想い出が色鮮やかによみがえります。録音された1967年1月は都立高校受験の直前、PPMのコンサートに行ったのは同じ年の後半に再来日した時でした。勉強一筋の真面目少年にとっての唯一の息抜きだったと言えるでしょう。その当時は知るよしもありませんでしたが、Bob Dylanがすでに2年前に「フォーク」と袂を別ち、米国での音楽の時代は急速に変わっていました。あの時点でもうBlonde On Blondeが出ていたのですから驚きです。そのDylanとPPMの当時のマネージメントを同じAlbert Grossman(ユダヤ人ですね)が仕切っていたという事実もやはり驚きです。ちなみにこの時点で東海村の原発がすでに稼働していますが、商業用軽水炉1号の敦賀原発が稼働するのは1970年。ここで気付けば後戻りもできたのかもしれませんが、ディズニーや鉄腕アトムまで動員した周到なシナリオが経済成長を隠れ蓑に完遂されてしまいました。DylanもPPMも原発もアメリカ製、もっと言えばユダヤ資本。そういうことなんだなあ。
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上から、夏に出た1枚物日本盤、日本盤(1枚目は1枚物と同じ)、米国盤(1枚目の通訳部分がカット)。

月夜の中庭

先ずは静かにお正月。月が明るく夜の中庭が凛としていました。日が暮れる前に長い散歩。ワインや春肴で緩んでしまった頭がしゃきっと戻りました。
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2013年 元旦

一夜明けて、天気だけは穏やかな正月。年賀状写真のアウトテイクから1枚。なんとか猫を入れようとみんなで力を合わせました。犬たちとは違って餌は役に立ちませんから大変です。
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癸巳

2013年になりました。[doghouse]の年賀状はこのアングル。去年写っていたフクがいないのはさみしい。年越し蕎麦は初めて三鷹の太古福にしましたが、正解でした。今年がいい年になりますように。
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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
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