Diprotodontia Phascolarctidae

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At the zoo #1。宮脇さんの設計した高幡不動の住宅地は多摩動物公園に隣接しているので、何十年振りかな、寄り道をしてみた。最初に来たのは50数年前で、1958年開園のおそらく2,3年後。家族の他に大阪から上京した叔母と一緒だったように記憶しているが定かではない。通り雨に会ったことだけは確かに記憶している。もう少し大きくなって思春期も過ぎたころの記憶の中に映画「卒業」(1967)のダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスの動物園デートがある。ポール・サイモンがあのシーンのために書いたAt the Zooはロマンティックではないので結局使われなかった。監督は賢い。映画にも歌にもコアラは出てこない。コアラ、双前歯目コアラ科Diprotodontia Phascolarctidae。

集住

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高幡不動にある宮脇さん設計の住宅地「高幡鹿島台ガーデン54」(1984年)「フォレステージ高幡鹿島台」(1998年)を見学した。京王線の高幡不動駅から1.5km標高差60mの丘の上にある。周辺一帯は方形に区画割りされた典型的住宅分譲地。長期的ビジョンを持つ計画と目の前の経済原則優先の即物的計画との差はこうして20年以上が経過すると歴然だ。見学とは言え、ただ通り過ぎただけなので、印象に残った写真を少し。細やかなデザインコードも効いているのだが、公道と私有地のあいだに挟まれた共有地の存在は大きいと思う。この仕事は建築家の職能のひとつだろう。

驟雨

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旧岩崎邸庭園和館には通り雨を遣り過ごす座敷があって雨脚が弱まるまで暫しにぎわっていた。辛抱強く待ってやっと思うように撮れた。

shower

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通り雨を避けられそうもないので旧岩崎邸庭園で遣り過ごそうと計ってそのとおりになった。滝のような雨なのだが思うようには撮れない。

蕾 蜻蛉

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蓮の蕾の蜻蛉は蜉蝣のように儚くはない

蓮池には蜻蛉もいた。動くものには忽ち反応をしてしまうから忙しい(笑)。いい時間が続きますように。

近現代建築資料館

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2013年に湯島に近現代建築資料館が開館したことを迂闊にも知らなかった。東京新聞の黒瀬陽平さんの美術評を転載したフェイスブック投稿でその存在を知って、開催中の「平成30年度収蔵品展 建築からまちへ1945-1970 戦後の都市へのまなざし」展に出かけた。同館収蔵の坂倉準三、池辺陽、大正人、吉阪隆正の図面が展示されている。トレぺに手描きの50年以上前の図面はそれだけで重い存在感がある。坂倉の「新宿計画」には驚くほど広い範囲が描かれていて、現存する空間を毎日通い抜けているだけに興味深かった。「新宿西口本屋ビル」というのが今の小田急百貨店だ。池辺の「渋谷區復興計畫案」は初見。卒業制作のようにのびのびしている。いずれにせよ放っておくと散逸してしまうに違いないこういった図面を収蔵するのはいいことだ。新旧2棟を改修した資料館全体の設計も気に入った。外壁のツインカーボ、ステンレスメッシュなど建築マインドあふれる素材の選択はけっこう大胆だ。設計は意外にも国土交通省関東地方整備局。あっぱれ。岩崎邸のもともとの敷地の一部にある資料館は隣接するコンドル洋館や和館とはなんとか折り合いをつけているのだが、庭園に隣接する湯島合同庁舎の建物は庭園の存在価値を著しく阻害している。悲しい。

蓮 永遠

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時も光もよぎる透ける透きとおる

東福寺は独りで訪ねた。重森三玲の庭に向き合いながら青い森の鳥の囀りを聴いた。蓮池に心奪われた。いい時間だった。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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