年の終わりに

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2016年の最後の日。ディランさんのノーベル賞のほか私生活でも大きな節目いくつか。猫のクウも天国へ。 [doglog]の平均の一日クリック数はここのところ4000台を持続。みなさん、ありがとうございます。2017年も引き続き、よろしくお願いいたします。11月27日にアップした菊が半ばドライ化してまだ目を楽しませてくれています。

鳥の島

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水鳥はどこで眠るのだろうか。島のように静かに浮かぶ鳥の群れに夕暮れが近づいたせいか俄かな動き。顛末を見届ける間も無く街に戻る時刻。暗灰色、明茶色のほかに若鳥もいるようだ。

カラスでさえ

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浜離宮庭園の夕暮れ時の枯れ枝に羽を休める一群のカラスが絵になっている。街では嫌われ者だがここの生態系の中ではさもしい挙動が不要なのだろう。下を歩いている時の群れとしての対応には本能を超えた知を感じさせられる。ほかの鳥たちとも仲良く折り合いをつけているに違いない。

駱駝と驢馬

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佐野ももさんのcomma設計のTENTOSHIは置いてあるものもいい。路面は売り物のクルマが展示できるつくりになっている。訪れた時は引戸が開けられた状態で、敷居部分の僅かな段差の脇に駱駝と驢馬。ラクダといえば「月の砂漠」。ロバといえばディランさんのVisions of Johannaの「宝石と双眼鏡が頭に」がRolling StonesのLPジャケットになっている。

犬智慧

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佐野ももさんのcomma設計のTENTOSHIにぶらり。法律や予算とぎりぎりのところで折り合いを付けたことが建築の潔さでわかる。店と建築が早くも馴染んでいるのはプログラムの勝利だろう。だからこの「江戸式ウォレット」が自然に私のお気に入りに加わった。カードにもコインにも擦り寄らない凛としたつくりが美しい。使い始める前の暫くはまた犬智慧だったかと苦笑いもしたが、すぐに慣れた。我ながら枯れてきたものだ(^^)。

浜離宮庭園

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何度も近くで目にはしていたけれどもこの歳になって始めて訪れた浜離宮がよかった。これは冬季養生中の「お花畑」。石油精製物であることを無粋に主張する青いネットが無数に立ち並ぶ丸太のおかげでなんとか絵になっている。ネット下目線の方がインパクトが強いけれどこちらの紗のようにも見える青いグラデーションも悪くない。

お気に入り

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[bigdog house]のダイニング・カウンターにある日めくりの犬が犬のいない暮しの穴を埋めてくれる。師走になってひときわ可愛かったのがこのチワワ。余計なモノを被せられた当惑を目の前の飼い主への気持ちで乗り越えて表情に曇りはない。となりのフィギュアは手作り。其処此処のお気に入りが家を楽しくしてくれている。2016年はいろいろな節目の年。もうすぐ年が変わる。

鳥の蝶番

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鳥は仲がいい。行動はほとんどが番いでする。根津美術館庭園のこの鴨は珍しく独り佇む。ほとんどモノクロームに近い冬の色を反複する水面は彼の気持ちも映しているようだ。番という字は「かわるがわる田に種を蒔く」からの成り立ちだそう。さらに転じて番いや蝶番は一対を意味する。「つがい」味わい深いことばだ。彼の場合彼女は後ろの茂みの向こうにいる。

鳥の頭目

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呑川緑道を都立大学駅あたりから南に歩いて緑が丘を過ぎると暗渠が開放されてただの放水路が露出する。眼の高さまであるネットフェンスで囲われた味気ない水路が実は鳥たちの天国だ。邪魔なフェンスのない橋の上から眺めていると時の経つのを忘れてしまう。鳥の集団には頭目がいて、水辺で佇む時の見張りや、川面を滑る先導をしていたりする。その混じり気のなさを眺めている幸せ。

金銀砂子

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その根津美術館には円山応挙展の最終日に滑り込んだ。モノクロームでも極彩色でもない金銀を背景にした鮮やかな色が好きだ。朝顔、藤色くっきりに砂子のぼかし。うまいなあ。応挙のあとの庭がまたいい。湿りと翳りに柔らかな陽がさしている。小さな池に浮かぶ小舟があの場を語っていた。余談だが「たなばたさま」の「きんぎんすなご」は不思議な呪文のようだった。

鵯の頃

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晴天が続いているからかもしれないけれど散歩路の鳥が賑やかだ。ここ幾日かはとりわけ鵯。島(いい言葉だなあ)があるというより時候が種ごとに分かれている気がする。だから土日の写真は圧倒的に鵯。樹から樹へ羽根を広げて飛び渡るあいだの一瞬が弾のようになるのは手持ちコンデジでは捉えられない。枝に留まったら間髪を入れずに撮らないと悟られて姿が消える。何枚かの鵯から一枚選ぶとしたら根津美術館の庭でのひとときから。背景で勝ち、かな。

榠樝

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かりん、難しい漢字だ。呑川緑道の往きに青空の下目を引いた黄色い実が復りには落ちていた。

china aster

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黄色いオンシジウムと一緒にバランスを取っていたのがアスターとも呼ばれるエゾギク。キク科エゾギク属Asteraceae Callistephus。英名china aster。

coquettish yellow

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ちょっとコケティッシュなオンシジウムは学生なら3年生かな。父の15周忌に息子が選んでくれた花束から。かなり巧い選択に感心。

petal pink

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2週間経ったシクラメン・レジーナミディパール。女王と冠されるだけあって凛と美しい。手元のuni240色色鉛筆の中ではpetal pinkが一番近い色かな。余談だが求心的はcentripetal遠心的はcentrifugal。30年くらい前の国際コンペでプロの翻訳で出会った単語。言葉忘れがこんなに激しいのにこういうことは記憶から消えていないのが不思議。

winter skyline

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新宿の西18階からの富士山遠望。空気さえ澄んでいればこの美しい山は東京の身近にある。コンデジ頼みの望遠写真だが人の眼はよくできていて対象を自在に引き寄せられる。江戸はさぞ風情のある街だったことだろう。

榛名富士

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その住友ビル43階からのある晴れた夕暮れの北側スカイライン。いつになく空気が澄んでいるようで遥か遠くおそらく榛名山が目視できます。富士山のようにも見えなくはありません。

街の灯り

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街は公私ともどもイルミネーションだらけで食傷気味ですが新宿西口住友ビルの工事仮囲いの灯は密度が尋常でなく新鮮です。

犬の寄り道

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来年3月までの通勤路通行止めで経路を変えてみると思わぬ発見いろいろ。やっぱり街は寄り道が楽しいな。その一つがこのかわいい犬たち。

絵のような

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絵画のように鮮やかな紅葉。風の強かった秋晴れの日。昼休みの公園で100枚以上もの写真を撮ってしまいました。

風に吹かれて

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風に舞う落ち葉を捉えようといろいろとトライしましたが、挙動が速すぎて思うようには行きません。落葉の不規則な舞が感じ取れる写真とは言えないな。今朝は10時から受賞祝いの鏡開き。

Blue & Lonesome

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ローリングストーンズのブルースアルバムが届いた。ものすごくいい。全曲シカゴブルースのカバーでほとんどが50年代の曲で年代的にはディランの「シナトラカバー曲」と変わらない。ブルースはディランのルーツのひとつでもあるからディランが60年代後半に録音した曲のような雰囲気の曲もある。ミックジャガーのハープはディランのとは違って完全なブルースハープでおそらくどの曲も原曲と近いスタイルなのではないかと思う。ストーンズはブルースから始まって初期にシカゴのチェスレコーズで録音したりもしているから原点に戻ったようなものだ。ディランは原曲の飾りを剥ぎ取った結果、楽曲の良さが引き立ち、歌唱の巧さがよくわかるが、これはほとんどの聴き手が思いもしなかった展開だ。ディランが今ブルースに取り組んだらどうなるのかと夢想するのは普通の人のすること。そんな期待をふーっと吹き飛ばしてしまうのがディランの身上、ということくらいはわかっているつもりだけれど・・・。それぞれの75歳での原点との対峙に拍手。

Bob Dylan on air

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Dylanのノーベル文学賞受賞に合わせてこんなにたくさんのTV番組がオンエアされます。
●12/9 (金) 22:00 〜 22:50 (50分) NHK BS1(Ch.1)国際報道2016
▽ボブ・ディランの歌詞は文学なのか?イギリスの文学界で議論沸騰!
http://tv.so-net.ne.jp/schedule/200101201612092200.action
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/
●12/9(金) 23:00〜23:30 BS朝日 
ベストヒットUSA 『祝ノーベル文学賞!ボブ・ディラン特集!』
http://www.bs-asahi.co.jp/usa/
●12/10(土) 0:00〜1:53 NHKBS1
『ノー・ディレクション・ホーム』 (前編) ※9日深夜
http://www.nhk.or.jp/yougaku80/program/dylan01.html
●12/10(土) 18:00〜18:30 BSジャパン 
あの年この歌〜時代が刻んだ名曲たち〜 『1963年「ボブ・ディラン/風に吹かれて」』
http://www.bs-j.co.jp/anotoshi/
●12/10(土) NHK総合 21:00〜21:49 
NHKスペシャル 「ノーベル賞詩人 ボブ・ディラン 世界を歌う魔法の言葉」
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161210
●12/10 (土) 12:40 〜 12:45 (5分) NHK総合・東京(Ch.1)
NHKプレマップ NHKスペシャル「ボブ・ディラン」
●12/11(日)0:00〜1:35 NHKBS1 『ノー・ディレクション・ホーム』 (後編)
http://www.nhk.or.jp/yougaku80/program/dylan01.html
●12/11日) NHKBSプレミアム 午前0時45分〜 午前1時15分 
笑う洋楽展 『ノーベル文学賞作品』
http://www4.nhk.or.jp/warauyo/
●12/11(日) 23:00〜25:35 NHKBSプレミアム
『BOB DYLAN Master Of Change〜ディランは変わる〜』
http://www.nhk.or.jp/yougaku80/program/dylan02.html

猫の冬

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落葉の公園の主の歩みの影が温かい

蔵前あたり

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両国から隅田川を渡って蔵前へ。車のための幹線道路が交差していて街に対して閉じた建物が多く人の気配が希薄な界隈の一角に温かい灯。草木染の[maito]。自分のインクをブレンドする[ink stand]。書く人のための[kakimori]。旧い器に新しいコト。おもしろい。こうやって街は変わって行く。

両国あたり

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北斎美術館ファサード。北側の公園越に望遠で切り取った写真。遊具が無造作に並ぶ緑が少ない乾いた公園は子供たちの遊び場。日常と非日常の対比が面白い。

指輪犬

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レーザーカッターで作成された指輪犬。酔っぱらって忽ち壊れてしまって写真だけが残りました。

北斎美術館

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開館したばかりの北斎美術館へ。ちょっと早過ぎたかな。オペレーションがこなれていないせいで居心地の悪さあちこち。暑い、客の流れが悪い、トイレの案内悪いなど。企画展3階の目障りな床の発光はまさか建築家の発案ではないと思うけれども酷い。街が三角形の切れ目として建築を貫通している主題は面白いが、建築のランドマーク性の方が際立っている。街のオブジェとしてのできが良すぎるのが仇となっている気がする。近くにある菊竹建築に比べたら何倍もいいけれど。

蜜柑路

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南千束の現場近くの蜜柑の路。ここまで道路に覆いかぶさっているのはすごい。私道なのでしょうね。

仙客来

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父の15周忌にちょっと特別なシクラメンCyclamen persicumサクラソウ科シクラメン属。中文は仙客来。限りなく純白に近いピンク。

旧い家

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[bigdog house]が建つ少し前にできた宮脇檀さん設計の「高畠ボックス」の紅葉。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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