サンフランシスコのCCAからフルブライト招聘教授として日本に来ているレビン氏を
[laatikko]に案内しました。建築を把握するのに不可欠な都市のコンテクストを先ずは把握してもらうために東中野で落ち合ってcommunity pathでもありcats alleyでもある蛇のようにうねる狭い暗渠を一緒に歩いていくことにしました。いい機会なので数年前まで仕事場だった
[balcon]の外観をチェックし、最近ご無沙汰だった「十番」でたまご入りタンメンと再会。まだ残っている中央線の旧型車両もカメラにおさめ関根さん設計のフートンにも寄りました。
[laatikko]での会話は室名と機能の関係性や公/私とpublic/privateの違いにまで及び、通訳の学生さんの存在に感謝することになりました。充実した時間でした。レビン氏にとって[laatikko]の空間体験は写真・図面から読み取っていた以上に刺激的だったようです。住宅の質を壁とドアで仕切られた部屋の数で計るような文化のなかで育った彼が、小さいが故に見えてくる住まいの本質を探ろうとしていました。私たちの文化が培ってきたかつての住まいの知恵が、もう探さないと見つからなくなっているのは悲しいことです。一年経った[laatikko]にさほど大きな変化がないのは、設計段階での建築家と住まい手の会話の深度のおかげだろうと、私たちは納得しました。