お天気のきまぐれにもめげず、桜は思ったよりしっかり。ここのところ毎夜三鷹駅を降り立つ私を少しずつ趣を変えつつ迎えてくれます。ひとときの感動を記憶にとどめておくだけでなく、わかちあいたいとシャッターを切るのですが、三脚があるわけでもなくなかなかうまくはいきません。
日曜朝の井の頭公園。朝の陽光に散る水しぶきに散り際の仄かな桜色の花が似合っていました。手に持つリードの先の犬たちは地面に散らばるモノにからだを奪われて、落ち着いたシャッターを切ることが容易ではありませんでした。
花見がてら犬の散歩は井の頭公園へ。朝7時だというのに、もう少なからぬ人がいて、ブルーシートが敷き詰められていました。写真を撮るとすると池越しか見上げるかしかありません。昔は水面まで垂れ下がっている枝を伝って池に落ちるのが流行っていました。雨が降ってしまったから昨日で見納めかな。この儚さもまた、よし。
妙に寒い日が続いています。うっかり早く開いた桜も逡巡していることでしょう。ラジオを聴いていたら、非常にめずらしい凍雨を観察したと耳に入ってきました。Wikipediaによれば、透明あるいは半透明の氷が雨のように降る気象現象で霙 (Sleet) と霰 (Graupel) の両方に含まれるのだそう。よくわかりません。英語ではIce pellets。朝の散歩、久しぶりに上水まで足を伸ばして、凛とした桜を楽しんできました。
昨日未明の激しい雨風の後、夜明けにはくっきりと晴れて美しい雨上がりの情景になりました。その後気温は予報どおり10℃ほど上がり、なるほど啓蟄という空気。からだが馴染みきれない変な天候が続いています。明日にはまた気温が急降下との予報。こういうパターンはそう短くはない人生で記憶にないなあ。
もともとは旧暦の3月3日だったので、桃の節句なのだそうです。日本のしきたり。花、道具、食べ物の三つ揃って季節を楽しむ。粋ですね。夜食にアナゴの入ったちらし寿司。思わず一杯いってしまいました。
ポルトガル語の原題はÁguas de Março。ジョビンの名曲です。こちらの三月の雨は妙に気まぐれ。水ぬるむとは言え、まだ寒々。やっと雨がすっかり上がって遅めの散歩に出たところ、家の前につぶれた蟇蛙2体。お向かいの家には小さな池があって、この季節はゲコゲコと賑やかなのです。明日は暖かいとの予報。こうやって春になっていくのですね。