鵯並んで水

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谷津干潟に白波がたつほどに強い風のなかヒヨドリたちはお気に入りの木の実の樹に群れていて、隙を見ては下の淡水池の淵に降りて水を飲む姿がかわいい。一羽二羽と連れが増えて五羽も並んで水を飲むの圖。

月に鵯

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トムヘネガン退任展の東京藝大美術館へは根津駅から坂を上って行った。わざと路地を通り抜けて大学の周りを寺社が取り囲むあたりまで来たところで枯枝にヒヨドリの向こうには月。岡田信一郎設計の陳列館はもうすぐそこ。

目黒川の鶫

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青葉台の現場の近く目黒川沿いにまだ残る朽ちた家には立派な柿の木があって熟した実に鳥たちが群がっていた。もう柿の実はほとんど無くなって屋根の上の啄み落としを漁っていたのはちょっと珍しいウズラ。こんなところにもいるんだなあ。樹の下の空地には昼前になると弁当屋の車が入ってきて人々が群がり鳥たちは暫し姿を消す。

gallery MA

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2月3日galleryMA。RCR Arquitectes:Geography of Dreams。カタルーニャに根をはやした建築家たちの外連味の無い清々しい展覧会。吉野との深いつながりが丁寧に描かれた映画も見応えがあった。大地の色を滲ませたかのような手漉きの和紙が無数に吊り下げられた空間に私は「紙舗直」を連想した。もう30年くらい前にその紙の世界を知るきっかけをつくってくれた元ワークショップスタッフとその会場で出会ったのはただの偶然なのだろうか。会場の開口部のガラスが模型の上にたまたま造り出した虹のラインが似合っていた。

HAGISO

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2月1日HAGISO。四方謙一個展symbiosisレセプション。築63年のHAGISO空間と四方作品の相性がよかった。四方さんは師事している野老朝雄さんと同様に建築出身で建築家の森純平さんとも旧い仲。その野老さん森さん四方さんのトークは楽屋落ち的な部分が掴み切れず私は消化不良だったが、少なくとも野老さんのスライドはあっけにとられた。四方さんは作品を感性だけでは創れないのは彼にまだ残る建築の所以なのではないかと勝手に納得した。森さん四方さんに加えHAGISOの宮崎さんも1982,3年生まれ、私より30も若い。3人とも建築の枠を大きく超えてはばたいている。これらの新しいムーブメントが旧い街によく似合っていると感じた。宮崎さんに教えてもらって行った魚貝三昧「彬」の美味しい酒が谷根千ぶらりを締めてくれた。 写真は四方謙一waft eyes 2016の部分とその影。作品が生み出す影に強く惹かれる。自然光が加わった時に遷ろう光の下ではまた別の魅力を発揮するに違いない。

そして鳥

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15年のあいだには変わらないこともあれば変わったこともある。「居住」で教え始めた頃にはラブラドールのフクを飼っていて犬大好きだった私は、今は犬がいない[bigdog house]で暮らしていて、そのせいばかりではないが最近になって鳥が好きになっている。だから京成大久保の2つ手前の谷津駅から10分も歩くと谷津干潟という鳥の楽園があるのに気づいたのはつい最近だ。谷津干潟、三番瀬、野鳥の楽園、葛西海浜臨海公園、鳥見スポットが目白押しだ。この方面はこれからますます身近になって行く予感。これも「居住」の縁かな。谷津干潟の美しい枯葦のなかにはたくさんの鳥が潜んでいるはずなのだが姿は私には見えない。

居住の縁

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15年間の居住の縁のなかで多くの人と出会った。最近はずっと卒業生がスタッフとして事務所を支えてくれているし、人生を変える大切な出会いもこの縁のなかに生まれた。講師陣が集まる楽しい会がこの縁をより豊かなものにしているのだろう。後半はfbやインスタを触媒にして情報交換の量が飛躍的に増加した。人が生きていく元は結局人との繋がりなのだ。来年度から講師陣に加わる田邊曜さんは奇しくも事務所OG。引き継ぎも兼ねて最後の授業の講評会にクリティックとして来てもらった。うれしいバトンタッチ。慣れ親しんだ大久保の街でランチを食べることはもうないだろうと思うと、わけもなく感傷的になって、それで選んだ最後の午餐はあえて二週続けての「ペペルモコ」のオムライスだったのだが、打ち上げにも「ペペルモコ」を選んだので滅多にない昼夜連チャン。15年間の思い出が浸みこんだ街なのだが今住んでいる八雲からは相当に遠いのでもうこの店で食事をする機会はないだろうと思うとしみじみと名残惜しい夜になった。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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