
カワセミは小さくてあまり動かないから見つけるのはたいへんなのだが人が集まって息を止めているところには必ずいる。そっと集団に混ざりこんでカメラを同じ向きに構えていてコツコツと音が聞こえる方を見上げたらコゲラがいた。小ぶりのキツツキだ。これは伊豆高原で一度捉えたことがある。

シロハラに出会って喜んでいる矢先に長大な望遠レンズをかまえる「鳥おじさん」のひとりに行き当たった。もっとめずらしいのがいるよと指さしてくれてやっとみつけたのがトラツグミ。これは初めてだ。毎日通って朝から晩までいるのだそうでいろいろと詳しいわけだ。こういう触れ合いも街歩きの楽しみの一つだが男は不器用なのでちょっとした助けがないと素直になりにくい(笑)。

興味深く鳥を眺めているうちに名前のわかる鳥の種類が少しずつ増えてきた。普段の生活領域では出会う鳥の種類はかなり限られているのだが三島あたりまで足を伸ばすと様子は違ってくる。源兵衛川のシロハラを直ちに同定できた納得のつぶやきを聴いてもらえたのはうれしかった。

源兵衛川にカワセミがいるということはそこに魚棲むということ。だから鷺の類も歩きながら時々嘴を流れに刺している。こんなに真っ白だと水面下の魚たちに察知され易いのではと思うのだがそういうものではないのだろう。ちなみに脚の水に浸る部分は鮮やかな黄色だ。

荒木町で田村さんを偲んでから始まった「交互連鎖タイトル」は二軒家で締めよう。[二軒家アパートメンツ]は渋谷区本町にあるのだがずっと以前この界隈は「二軒家」と呼ばれていた。今でも二軒家公園、二軒家町会、地域交流センター二軒家などに地名が残っている。裏道には古い小さな区画がまだまだ残り味わい深い飲食店もいくつかあるのだが、方南通り沿いには大型ビルがどんどんできてしまっていてついに20階建てのAPAホテルまでできてしまう。街は思うようには良くなっていかない。写真はお気に入りのサラダ屋さんの近くにある二軒家町会会館。鋭角の狭小地に建つ不思議な建物。

事務所がある[二軒家アパートメンツ]は遊歩道と言う名の暗渠に沿って建っている。公的な場所なのだが自動車は通らないせいか私的なモノが滲みだしていてなかなか味わい深い。従って界隈に生息しているネコも多い。溶け残った雪陰からうっかりカラスを狙ってしまうネコの挙動は好きだ。