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雑色

古代の官職名に由来する雑色という名の駅に初めて行った。大田区の多摩川の河口に近いそのあたりは小さな町工場や木賃アパートなどが密集している庶民的な街。そんな木造密集地域の真っただ中に北山さんが設計したのが「南六郷ハウス」。8つの居住ユニットとコモンダイニングからなる建築基準法上の寄宿舎。設計は一般解としての長屋から始まってゆっくりとクライアントを説得して行ったとのこと。[コモンダイニング+2シェア]にファミリー対応などの可変性も用意されているのは説得の名残だろう。結局、街に向かってさっぱりと開いたあたらしい居住空間ができあがった。時代はもうこれを使いこなせるところまで来ているはずだ。木造2階上下の遮音性のために2階床スラブは大胆にもRCとしている。その予算負担を挽回するための極限のミニマリズムが潔い。大いに元気をもらった。

kinoshita
2018/11/19(Mon) 08:00:06

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