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東急東横駅

1969年まだ高校生だった頃に東横線沿線に住むようになって以来渋谷駅との付き合いは永い。あの頃は駅前のaaで「じゃじゃ麺」。それから何年も経った2013年の副都心線乗り入れの頃から渋谷駅は「いつまでも終わらない工事中」状態に陥って、通り過ぎる方が無難な駅になってしまっている。駅周辺には巨大な建築がいくつも計画されていてそちらの工事も合わせて進行している。建築家がそれぞれ技の限りを尽くしても全体計画がお粗末だとまともな都市空間にはならないだろう。都市空間に最低限必要なことでさえ「工事中だからまあいいや」の無責任さを見せつけられているから不安が募るばかりだ。車椅子、ベビーカー、トランクの類は渋谷駅乗換に適合していない。13日に駅南側につながるstreamが開業してもその渋谷駅の混沌は何も変わらないが、ビルの低層部分の中にまで街が途切れなく続いて行くように共用部分が屋外になっているのはいいと思った。ファサードにランダムに取り付けられた意味不明の美しくもない白い板切れは、好みを言うことができるなら「きらい」だが、低層部の経済原則に抗った「余白」を正当化するための隠れ蓑なのかもしれないとふと思った。旧東横線渋谷駅の屋根壁が一部遺されていて50年前から付き合ってきた私には懐かしいが、これが意味のある記憶の継承なのかどうかは全体が完成してみないと判断できない。床にある杜撰なフェイクのレールを見ていると不安になってくる。どうでもいいことなのだが鉄道への愛は微塵も感じられない。「インスタ映え」すればいいとくらいにしか考えていないのだろう。おかげで哀感あふれる写真が撮れた。

kinoshita
2018/09/28(Fri) 08:00:05

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