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河合寛次郎


grutto pass #6。庭園美術館のロッカールームで初老の婦人に声をかけられて河合寛次郎展を薦められた。「ぐるっとパス」仲間であることがわかったからなのだ。初めてのパスを使い始めて気づいたのが、思ったより仲間が多いということ。しかもほとんどが年配の女性だ。暇を持て余した庶民の知恵。男は「青春18きっぷ」、女は「ぐるっとパス」。善男善女、みなかわいい。ところが暇がそれほどないのにこの手を使いこなそうとすると、つい余計なところまで出かけてしまって忙くなり過ぎる(笑)。河合寛次郎も有り余る造形力を警戒していたからパスがなければ来ていなかったに違いないが、百聞は一見にしかず、魅力的な人だということがわかった。「私は私を形でしゃべる」と自ら語り金属や石や木のなかに潜む形を外に引き出すのだそうだ。表現は驚くほど多種多様多彩。陶芸どころではなくなった戦時には文字による表現にかたちを変えて創作を続ける強かさがいい。猫もいたし犬もいたが(あたりまえだが)脱帽。大きな写真は新聞広告の切抜に弟が額というか枠をつけた「連結器写真新聞切抜き」。おもしろい人だ。8月の京都で行きそびれた河合寛次郎記念館は彼自身の設計だそう。作品ばかりかお気にいりのモノが空間を埋め尽くしている。代わりに学生たちと甘い茶を飲んで時間をつぶしてしまったことを今は少し悔いている(笑)。

kinoshita
2018/09/16(Sun) 08:02:29

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