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近現代建築資料館



2013年に湯島に近現代建築資料館が開館したことを迂闊にも知らなかった。東京新聞の黒瀬陽平さんの美術評を転載したフェイスブック投稿でその存在を知って、開催中の「平成30年度収蔵品展 建築からまちへ1945-1970 戦後の都市へのまなざし」展に出かけた。同館収蔵の坂倉準三、池辺陽、大正人、吉阪隆正の図面が展示されている。トレぺに手描きの50年以上前の図面はそれだけで重い存在感がある。坂倉の「新宿計画」には驚くほど広い範囲が描かれていて、現存する空間を毎日通い抜けているだけに興味深かった。「新宿西口本屋ビル」というのが今の小田急百貨店だ。池辺の「渋谷區復興計畫案」は初見。卒業制作のようにのびのびしている。いずれにせよ放っておくと散逸してしまうに違いないこういった図面を収蔵するのはいいことだ。新旧2棟を改修した資料館全体の設計も気に入った。外壁のツインカーボ、ステンレスメッシュなど建築マインドあふれる素材の選択はけっこう大胆だ。設計は意外にも国土交通省関東地方整備局。あっぱれ。岩崎邸のもともとの敷地の一部にある資料館は隣接するコンドル洋館や和館とはなんとか折り合いをつけているのだが、庭園に隣接する湯島合同庁舎の建物は庭園の存在価値を著しく阻害している。悲しい。

kinoshita
2018/08/20(Mon) 08:00:01

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